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飲食店経営ガイド Vol 5:ポジショニングと経営戦略

上海での成功に不可欠な「マーケティング」プロセス


今回は、環境分析の次の作業、すなわちポジショニングについてお話したいと思います。
今までのお話では、事業を行うときに、まずは置かれている環境を分析しようと言うことでした。つまり、"どこで商売をするか?"と言う作業をマーケティング的に分析してきたことになります。この作業が終わった今、皆さんは自分たちが商売をしようとしている環境に関してはきちんと分析ができており、かつ客観的な数値や情報を元に説明ができる状態になっていると思います。

次に重要なのは、"どのように商売をするか?"と言うことですね。分かりやすく野球に例えると、今までの作業は相手チームの分析にあたります。これからは、自社の戦力と相談しながら具体的な戦い方を考える作業になります。打順の並び替えや、先発投手の選択などに当たります。

ポジショニングとは、ターゲット市場の顧客の心の中に独自の位置(ポジション)を占めるために、企業が自社の提供物とそのイメージをデザインすることを指します。そして、できれば競合がいない方が望ましいですね。あらゆる情報を元に、確固たる自社(もしくは商品やサービス)の地位を固める作業になります。飲食業においては、我々の経験から言うと大きく3つに大別されると思います。それは料理、サービス、空間です。重要なのは、これらは全て費用が発生するということです。つまり、限度があります。いかに料理に重きをおきたい、と言う経営者の強い思いがあっても、優秀な料理人がいなければ始まりません。また、引き抜いてくる資金や、引き抜いても定着して貰うだけのブランドがお店にないとだめですよね?更に、お店を開店前でしたらロケーションは比較的自由に選べますが、既に商売を始めておられると更に制約が大きくなります。ビルの1階にあるお店が、"夜景のきれいなレストラン"と言う空間を訴求しようとしても、不可能です。限られた資源の中でどうやって自社の独自性を築くか?と言うのがポジショニングの作業になると思います。

ポジショニングを行う目的は、一言で言うと差別化です。つまり、自社のポジショニングが現時点で他社と異なっている必要があり、その意味で最も効果的なポジショニングは独特で他社が容易に模倣できないポジションを占めることと言えます。また、変化する環境の中においてはどんなポジショニングも永続的なものではないので、企業はつねに自社のポジショニングを見直す必要があります。その為には、自社のお店の周りだけでなく、業界や都市レベルでどのような動きがあるのか、今後どういう新しいサービスが導入されようとしているのかを、アンテナを高く、そしてできるだけ効率的に情報収集する必要があります。我々は上海地域に特化した飲食業のコンサルティングを行っていますが、お付き合いしているお客様の多くは、日々の多忙な業務に忙殺されて、自分のポジションを見失いがちになられている例が多いように思います。ついつい従業員や部下にこの作業を依頼しがち、と言う例が多いようです。しかし、従業員や部下が経営者と同じ感覚でモノを見て、モノを考え、周辺に報告しているとは限りませんよね。やはり経営者がまず行う作業が、今までの環境分析に加えて自社を客観的に見るということではないでしょうか?その結果を周辺にレポートし、同意を得ることで、業界や環境を見る"眼"は養われていくのではないでしょうか?そこで得られたフィードバックを更に改良して、自分なりの確立したポジションが日々構築されていくものだと思います。

次回は飲食業における、具体的なポジショニングの作業についてお話したいと思います。



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