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飲食店経営ガイド Vol 7:マーケティングミックス(1)商品戦略

上海での成功に不可欠な「マーケティング」プロセス


前回はポジショニングのお話をしました。他社に対してどういう立場をとれば良いのか?と言う話ですね。市場や競合他社に対してどういう立場をとればよいのか?と言うお話でした。では、今回から具体的にどのように自社の商品(サービス)を企画、開発していけば良いのか?と言うお話をさせて頂きます。

まず、当たり前のことですが、お客さんは商品やサービスそのものの消費(利用)に対してお金を払ってくださいます。例え豪華なレストランであっても、素通りされるだけではお店には収益は入ってきません(但し宣伝目的の場合は別ですが)。収益の対価が確立しているからこそお客様は満足し、また再びお客様として登場して頂ける訳です。
では、お客さんにどんな商品を提供するか?飲食店では当然"食"であり、例えば"衣"や"住"を提供する訳ではありません。我々の経験では、当たり前ではありますが商品である料理を少々疎かにされているお客様が上海では目立つように思います。飲食店が提供するのは、あくまでも"食"です。食を美味しく頂ける環境として、内装や雰囲気などが付随的についてくるのです。我々は、飲食店を志す皆様には、まず一つ一つの料理を大切にして欲しいと強く思います。

では、どんな料理を出すべきか?ここでは、通常の商品と同じ考え方を紹介したいと思います。つまり、需要と供給のバランスを考えましょうと言うことです。もう少し専門的な言い方をすると、マーケティングにおいては、常に自社の生産能力、価値提供能力から鑑みた需要と供給のバランスのコントロールを行なうことが大事です。

ここで、"需要"とは何でしょうか?お客様が望むものだけを提供していれば良いのでしょうか?答えはNoですね。すなわち、お客様が望むもの(既存の市場にあるもの)と、望むだろうと推定できるもの(既存の市場にないもの)を分けて商品を提供する必要があります。この作業において、当然既存の市場にあるものを提供するほうが楽ではありますよね。例えば中華料理屋をオープンするのであれば、街中の中華料理屋のメニューを調べて、少々安価な値段で料理を提供すれば、"おいしい中華料理を安価で提供するレストラン"と言うコンセプトができあがります。日本の居酒屋のメニューをそのまま中国に持ってきて、安価な食材を調達して提供することで、"安価な日本食レストラン"ができます。しかし、我々の経験では、成功する飲食店は、これだけではなく何らかの独自性のある料理を提供しているように思います。そして、それは店主と我々コンサルタントが考えつくした結果生まれた結果であることが多いです。何故この料理を提供するのか?値段は?客層は?調理時間は?食材は?仕込みは?などなど、新規の料理は全て一から考えなければなりませんが、それだけ店主の腕の見せ所と言えるかも知れません。

さらに、もう少し別の観点を紹介しましょう。商品戦略を考えるにあたって、我々の経験では大きく2つのポイントがあると考えています。一つは、"オンリーワンを目指そう"、もう一つは"商品のライフサイクルを考えよう"です。どちらも極めて当たり前ですが、多くのコンサルティングを通じて、改めてこの2点の重要性を日々痛感します。

まず、オンリーワンですが、これは後にお話する価格戦略とも密接に関連しています。つまり、誰にもまねのできない商品を作ってしまえば、その商品に興味のあるお客様全てを自店へ誘導することができる、と言うことです。"あのお店でしか食べられない"、"どうしてもあの食事を口にしたい"などとお客様に思って頂けるのがオンリーワンになります。

次に、商品のライフサイクルですね。これは、どんな商品にもライフサイクルがあると言う考え方です。商品の誕生から、導入期→成長期→成熟期→衰退期 というもので、この各々のステップで取りうるプロモーションや事業戦略が異なる、というものです。我々の経験では飲食業界においてはそれほどこの考え方は適合しないと思います。従来の概念を打ち破るような新規料理や食材が世の中に出てくることはあまりないですよね?逆に、廃れていくような料理もあまりないですよね?参考までにここで紹介しておきますが、詳しくは次回以降に述べたいと思います。

今までに述べたのは、商品(料理)の概念や考え方に過ぎません。では、実際の具体的なアクションをどう取るか?ですが、簡単です。自分の足で周辺を歩いて見てください。そして、料理やお客、値段などを自分で調べてみてください。我々はよくこの手の調査を引き受けることがあります。例えば面が割れているから他店には行きたくない。忙しいので他店に行っている暇がない、など業務を我々に委託される方々にも理由はおありだと思います。しかし、たとえたった1件であっても、わずか5分でも時間があれば他店や地域を実際に見学されることをお勧めします。そして、自分がお客さんになった気持ちで他店と自店を比べてください。自店の料理は食べる価値があるのか?何故このお店に来るのだろうか?同じ喜びは他店では味わえないのだろうか?など、自問自答の繰り返しが、やがては自店のコンセプトや商品戦略の確立に繋がると我々は考えます。

次回は、料理の値段をどうやってつけるのか?と言うお話をしたいと考えています。



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